9条どうでしょう (1)

というタイトルの本を読みました.
それを口にすると「多くの人が怒り出すことが確実であることば」が
脳裏に浮かぶと,それを口にせずにはいられない人々
(まえがきにかえて,より)
4人が
護憲・改憲の二種類の「原理主義」の
いずれにも回収されないような憲法論(同)
を書いた本だそうです.まえがきにかえて,を書かれているのは内田樹さん.4つの論考の最初も内田さんです.要約するのは困難なので,いくつか引用します.
憲法九条のリアリティは自衛隊に支えられており,自衛隊の正統性は憲法九条の「封印」によって担保されている.憲法九条と自衛隊がリアルに拮抗している限り,日本は世界でも例外的に安全な国でいられる‥.

よくインタビューで,「一言で言えば,どういうことですか」と要約を求める人がいるが,「話を簡単にしたがる人間」は総じて複雑な問題を長時間考察するだけの忍耐力を欠いた方であり,私はそんな人間を相手にしているほど暇ではない.
外交の基本は「リスク・ヘッジ」‥,話を簡単にするよりは話を複雑にする方が,‥確実にリスクはヘッジできる‥.

日本人が今まず行うべきことは,‥,憲法九条と自衛隊の無矛盾的並立を矛盾として苦しみ,それでもなお生きながらえてきたという動かしがたい事実を世界に告げることだと私は思うのである.

改憲の後に‥,「憲法九条さえなくなれば,日本は誇り高い自主防衛の国になれる」という六十年間嘘だとわかりながら自分にむかって告げ続けてきた嘘の決着をつけることを日本人は求められることになる.
こういう言い方はよくないかもしれないけど,素敵な文章を書く人だと思います.ご本人のブログでもプレミアム試写会のタイトルで紹介されています.
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by ntomomitsu | 2006-04-18 23:28
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